私が初めて猫のタビに会ったのは、今から約6〜7年前ニューヨーク滞在中のこと。
まつげも凍りそうな寒い日、友人の良子さん宅を尋ねた。玄関が開くとともにタビがWelcomeと言わんとばかりすり寄ってきた。彼の身体は日本の猫の比でないくらい大きく、トラ模様のいっちょうらいの足元は、真っ白な足袋を履いたようないでたちをしていた。(彼の名前の由来はそこから来ているらしい)(笑)。冬場零下10度くらいになるのは当たり前のニューヨークだが、アパートの中は大抵Tシャツ一枚で過ごせるくらいぽかぽかで、猫にとっても極楽。
そんな訳で彼は、よく延びては部屋中飛び回り、のどをゴロゴロならしながら人懐っこくまたすり寄ってくる。どの友人が遊びにきてもすぐスリスリ寄っていくそうで、芸者猫とあだなを付けられていた。彼を抱き上げるとずっしりと重く暖かくて、やわらかな毛並みが自然と頬ずりを促す。遠慮がちにつめを立てる。そしてピカピカに磨いたビー玉のような目の奥からキャッテエレジーが何となく聞こえてきた。
良子さんいわく、「友人が彼女と別れた時、飼っていた猫のうち彼女は購入した血統証付きの方を日本に持ち帰り、タビは置いてきぼりにされたもう一匹の猫で、その友人から、落ち着くまで少しの間あずかって欲しいと頼まれたまま今に至っているのよ」と。
0 件のコメント:
コメントを投稿